新生児聴覚検査の公費負担を要望!早期発見のための検査促進対策を
平成31年2月定例県議会(本会議)代表質問【その8】
2019年02月28日 公開
私、安藤じゅん子は、2019年2月15日の千葉県議会2月定例会にて立憲民主党会派を代表して代表質問に登壇しました。
代表質問では、千葉県の取り組みに関して18項目にわたり質問、要望等を行いました。それぞれの質問項目と当局の答弁をご紹介してまいります。
乳幼児の成長は親たちにとって、喜びと楽しみではありますが、反面、障がいや疾患などが出ないかという不安を常に抱えています。視聴覚疾患などもそのひとつで、早期発見のために検査促進と公的負担なども含めた支援体制を充実させることが必要だと考えています。
8:外乳幼児期における視聴覚障害の早期発見について
早期発見のために、公費負担を含めた支援と検査促進対策を要望
質問の背景
平成29年の春、厚生労働省から、「三歳児健診」における視力検査の適切な実施についての依頼が出されました。
子どもの目の機能は生まれてから発達を続け、6歳ごろまでにほぼ完成すると言われており、遅くとも、3歳児段階で異常が見逃されると、治療が遅れ、十分な視力を得られないことがあることの周知についての依頼です。
そこで、三歳児健診において、0.5の視標が見えなかったり、月齢により検査を実施できなった受診児の保護者には、眼科受診の勧奨と受診結果の報告を求めたところです。
国の動きを受け、埼玉県和光市では、昨年11月から、屈折度測定装置の導入を開始し、視力の検査実施において月齢による検査未実施の防止を防ぐ取り組みを加速していることをお聞きしています。
このように視力の検査を行う前の、眼の異常そのものの発見についても、視力同様に早期に異常を発見し、適切な医療に結び付けることが肝要です。
- 安藤じゅん子の質問
- 迅網膜芽細胞腫などの、視覚障害につながる症状は乳幼児期における早期発見が重要と考えるがどうか?
- 答弁(滝川伸輔副知事)
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網膜芽細胞腫は、小児期に発症し、重篤化により失明の危険もある眼の疾患であり、早期発見・早期治療が重要となります。
同疾患を早期に発見し早期治療につなげるため、現在、市町村が実施する乳幼児健康診査において、問診、診察によるスクリーニングが実施されているほか、母子健康手帳にも、子供の目の異常を感じた場合に専門医療機関の受診を促す記述を設けているところです。
県としては、今後も市町村と連携しながら、乳幼児健康診査の着実な実施に努め、子供の視覚障害の予防を図ってまいります。 - 安藤じゅん子の質問
- 聴覚障害の早期発見のための新生児聴覚検査に係る県内の取組状況はどうか?
- 答弁(滝川伸輔副知事)
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新生児聴覚検査は、新生児期において先天性難聴を早期に発見し、聴覚障害による音声言語発達等への影響を最小限に抑えるために実施する「きこえ」の検査であり、国の実施通知に基づいて、市町村は受診勧奨や受診者の経済的負担の軽減等を、県は関係機関の連携体制の構築等をそれぞれ行うこととされています。
平成29年度末において、医療機関における新生児聴覚検査の受診の有無を把握している市町村は46市町、平成30年10月において経済的負担の軽減を行っている市町村は3市町であり、それぞれ年々増加している状況です。
- 安藤じゅん子の質問
- 新生児聴覚検査の実施を推進するため、県はどのように取り組んでいくのか?
- 答弁(滝川伸輔副知事)
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千葉県では、平成29年度に「千葉県新生児聴覚検査検討会」を立ち上げ、医療関係者や行政・教育関係者の参加の下、県内における検査の推進体制の整備に向けた検討を行っているほか、県内市町村や保健所職員向けの研修等を実施しているところです。
今後、今年度内を目途に同検討会の意見をとりまとめ、医療機関や療育機関、市町村の間の連携体制を構築するほか、検査マニュアルを改訂するなどして、関係機関への周知を図ってまいりたいと考えています。
また、検討会の中では、検査の受診率の向上のためには公費負担の実施市町村を増やしていくことが重要と指摘されていることから、市町村の理解を促進するとともに積極的な取組を促し、県内のすべての新生児が検査を受けられる体制づくりを目指して取り組んでまいります。
- 安藤じゅん子の要望
- 新生児聴覚検査については、公費負担による検査促進も一つの方法であると思います。検討会でも指摘があったように、出産時に検査費用が上乗せでかかると、家族は躊躇してしまうことがあります。全ての新生児が聴覚検査を受けられ、更に必要な支援に結びつくよう、体制づくりを推進いただきたいと思います。