新しい学校教育、小中一貫教育とチーム学校

4月28日教育行政基礎講座 研修結果報告2

2016年05月12日  公開

      安藤じゅん子の気づき


4月28日に受けた教育行政基礎講座の内容と、安藤じゅん子の気づきをまとめました。
2回目の今回は『「小中一貫教育」と「チーム学校」の要点と解説』についてです。

小中一貫教育と推進の背景は

小中一貫教育とは、教育目標や目指す子ども像、カリキュラムをともに作り上げる取組で、小中学校が目標を共有し、その達成に向け小中学校9年間を通して系統的な活動の展開を要する教育です。
推進の検討の背景には、教育基本法、学校教育法の改正による義務教育の目的・目的規定の新設、近年の脱ゆとり 教育内容の量的・質的充実への対応、児童生徒の発達の早期化等に関わる現象、中学校進学時の不登校(181%増)、いじめ等の急増(49%増)等、中一ギャップへの対応、少子化等に伴う学校の社会性育成機能の強化の必要性などがあります。

昔、社会性育成機能を果たしていたのが、原っぱや空き地でした。これらが姿を消し、子どもたちを取り巻く我が国の教育環境は、少子高齢化、核家族化の進行、共働き世帯の増加、母子家庭・父子世帯の増加、地域の教育力の低下、少子化に伴う学級規模の減少や二つ以上の学年を一つにした複式学級の増加となる中で、切れ目ない一貫教育が求めれています。

参考:文科省平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」

小中一貫教育では、小学校高学年での専門的指導の充実や、児童生徒の学びにおけるつまずき支援を長期的視点にたったきめ細かい指導が実現されます。
至近の例でいえば、小学2年で習う九九を忘れ、小学4年以降の二ケタ×二ケタ、小数、分数が解けなくなるなどつまずきがあります。現状においても放課後算数教室などで子どもたちの学力向上に資する取り組みを、市長部局こども部や学校、教育委員会が連携していますがが、こうした取り組みがスタンダードとなります。

運営形態の違い

義務教育学校
学校教育法の改正により2016年に新設された制度。義務教育を一貫してひとつの学校で行なう
例)千葉県市川市 小中一貫校「塩浜学園」
併設型小中一貫校
同じ設置者(市町村)が小学校と中学校を併設し、接続して小中一貫教育を行う。他の小学校からもその中学校に進学できる。
連携型小中一貫校(※過疎地域を想定)
地域の結びつきの強い中学校とその地域の小学校が連携して取り組む事例が多い。小学校の教師が中学校の授業を、中学校の教師が小学校の授業を受け持つなどの連携や、合同行事で児童生徒同士が交流を深めている。

小中一貫教育は、実施校からはおおむね良好の評価を得ておりさらに拡大深化を遂げていく流れとなっています。
現状見えてきた課題と展望は、地域性を生かしたモデルを実現していくこと、そのために校務マネジメントやカリキュラム、乗り入れ授業、学校評価、教員免許併有、施設整備等などがあります。これら課題に対し、自治体は、小中共通の教育目標、9年間を見通した指導内容、小中教職員の協働連携体制をガイドラインを策定することが必要となっています。

チーム学校とは

平成26年7月から中央教育審議会で検討されてきたもので、これまで教員が何でもこなしてきた学校組織を、専門家集団による「チーム学校」に変えるべきだという提言です。
世界一忙しいといわれる日本の教員が子どもたちと向き合う時間を増やすことがねらいです。

資質向上のための教員改革、チーム学校で実現する学校の組織運営改革、地域からの学校改革の3本柱からなり、これら改革は、「教員の仕事とは授業」を実現するための取り組みです。教職員総数に占める教員以外のスタッフ割合は、アメリカでは約44%、イギリスでは約49%となっており、次世代の学校はこうしたモデルにならうものとなるでしょう。

チーム学校のモデルの課題はスタッフ配置

たとえば、SSW(スクールソーシャルワーカー)やSC(スクールカウンセラー)といった心理や福祉の専門スタッフ、ICT支援員、国の交換留学生の活用も行える外国語指導助手であるALT、部活動支援員が肝になります。そして、その配置を実現するためには、校長をはじめとる管理職にはトップリーダーの、主幹教諭にはミドルリーダーの役割が求められます。

小中一貫教育も、チーム学校も、まだまだ課題は山積ですが、党派を超えて、子どものために必要な人材の育成や予算の確保に協力してまいりたいと思います。