仕事と介護を両立できるより実効的な支援を
令和5年12月定例千葉県議会・一般質問(12月5日)その5
2024年01月15日 公開
12月5日、千葉県議会12月定例県議会において、安藤じゅん子が一般質問に登壇しました。
本稿では介護離職の防止に関する行政の取り組みについての質疑をお届けします。
2025年、団塊の世代が75歳以上に達し、日本は世界に類を見ない超高齢社会を迎えます。
団塊ジュニア世代もいよいよ家族介護の当事者の仲間入りです。
高齢者の増加に加え、少子化・共働き世帯の増加という日本社会のメガトレンドを踏まえ、働く現役世代は親などの介護を自身の人生設計の中に考慮する必要があります。
企業側からすると、従業員の介護発生に伴う労働生産性減少によるインパクトは大きく、働く家族介護者の課題に向き合っていくことは急務です。
先日、報道番組で、介護が発生した段階で一時金を支給する介護共済という支え合いの仕組みが始まっていることや、労使交渉の場で、介護の離職防止のための条件闘争が行われている模様が映し出され、家族介護者支援の充実はまさに待ったなしの課題である認識を新たにしました。
仕事と介護の両立に関しては、介護休業・休暇等の制度的な対応に加えて、より実効的な支援が必要になります。政府は今年度、会社員が親などの介護で離職するのを防ぐ手立てを、企業向けの指針としてまとめ、介護を家族内の問題だけではなく、企業の経営上の課題と捉え、社員向けの相談窓口を設置するといった具体的な支援体制を盛り込むとしています。
このような国の動きをとらえ、県として、県民の介護に対する不安を安心へと変えていくために、主体的に取り組むことを期待しています。
- 安藤じゅん子の質問
- 介護離職の防止に向けて、県はどのような取組を行っているのか。
- 答弁(商工労働部長)
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国が令和3年度に実施した調査によると、介護により離職した方のうち、約4割の方が「職場に介護休業や休暇、労働時間短縮等の制度が整備されていないこと」などを離職の理由に挙げており、仕事と介護の両立に向けた職場環境の整備を一層進めていくことが重要と考えています。
このため県では、経営者の意識改革を促すため、両立支援制度の仕組みや、制度設置への助成金などについてわかりやすく解説するセミナーを開催しています。
また、希望する事業者には、専門家を派遣し、制度導入に向けた課題整理から就業規則の改正、運用開始後のフォローアップまでの伴走支援を行っているところです。今後も、国や関係機関と連携し、介護をしながら仕事を続けられるよう、働きやすい職場環境づくりに努めてまいります。