盲導犬の給付対象者拡大と認知症保険について質疑しました
令和5年12月定例千葉県議会・一般質問(12月5日)その4
2024年01月12日 公開
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12月5日、千葉県議会12月定例県議会において、安藤じゅん子が一般質問に登壇しました。
本稿では県民の安心・安全に関する項目として、盲導犬の給付対象者の拡大と、認知症保険についての質疑をお届けします。
盲導犬の給付対象者を2級にまで拡大するべき
盲導犬の給付対象者の拡大について、一昨年の夏に、盲導犬を普及させる会の要請に応じる形で、県庁舎をはじめ公共施設の入り口や交番、多機能トイレに「ほじょ犬ステッカー」を貼付するようになりました。こうした、地道なステッカーの貼付などによって、盲導犬に対する理解が深まっていくと期待しています。
しかし、残念ながら、いまだ飲食店等での盲導犬の入店拒否事案は後を絶ちませんので、引き続きの理解促進活動を要望します。
茨城県では、当事者や関係団体等の要望から、今年7月視覚障害1級の方に加え、2級の方も給付対象者とすることとしました。これによって、2022年3月末時点で1級の方2,218人に、2級の方1,869人を加えた4,087人が、盲導犬の給付対象者となり、約2倍となりました。
2級の方やロービジョンの方は、だんだん視力が低下する過程の方もいらっしゃいます。完全に視力が失われる前、視力があるうちから、盲導犬というパートナーと過ごすという選択肢があることが大切だと考えています。
- 安藤じゅん子の質問
- 盲導犬の給付対象者については、視覚障害1級から2級の身体障害者手帳所持者にも拡大すべきではないか。
- 答弁(健康福祉部長)
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盲導犬は視覚障害のある方の安全な歩行を助け、自立と社会参加を促進する重要なパートナーであることから、県では、盲導犬の育成と給付を盲導犬訓練施設の運営団体に委託し実施しています。
盲導犬の給付対象者については、特に重度の視覚障害のある方への支援が重要であることを踏まえ、視覚障害1級の身体障害者手帳を所持している方としていますが、対象を2級に広げている県があることは把握しています。
給付対象者の拡大に当たっては、盲導犬の利用ニーズの把握や各訓練団体との調整が必要であり、今後とも情報収集に努めるとともに、他県の状況を確認してまいります。
認知症の方とご家族の安心のための保険加入支援を
愛知県大府市では、認知症の方が地域で生活する不安を少しでも軽減するため、平成30年6月から認知症もしくはその疑い等で行方不明になる可能性がある方の情報を市に登録する「認知症高齢者等事前情報登録制度」と、「認知症高齢者等個人賠償責任保険事業」を開始しました。
大府市が、このような事業を始めたきっかけは、2007年、認知症で徘徊中の男性が列車にはねられて死亡した事故をめぐり、JR東海が家族に約720万円の損害賠償を求めた訴訟も一因していると考えます。この裁判は、判決次第で介護リスクを突き付けられた出来事であったのではないかと記憶しています。
行方不明になられた方が行政区を越えて発見されることも想定されるため、大府市の近隣市町では同様のサービスと事業が広がっていることを確認しています。
広域行政の県の立場から、市町村を後押しするためにも、事業支援を行うべきと考えます。
- 安藤じゅん子の質問
- 認知症の方やご家族等の安心のため、損害賠償責任保険への加入に対し、 支援を行うべきと考えるがどうか。
- 答弁(健康福祉部長)
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認知症の方が関係する事故等により、相手方や第三者に損害が発生した場合、本人やその家族等に、賠償責任などに関し過重な負担がかかるおそれがあると認識しています。
県では、事故等の未然防止に向け、認知症の方やその家族の応援者となる認知症サポーターがチームを組んで見守りや声掛けなどを行う「チームオレンジ」の整備促進のほか、市町村・警察・自治会などの関係機関と連携して見守りネットワークを構築し、行方不明者の早期発見などに取り組んでいるところです。
賠償責任保険への加入については、支援を行っている自治体は全国的にも少数であると承知しており、国や他団体の動向を注視するとともに、引き続き、地域における見守り体制の整備を推進してまいります。