「わかりにくい?」民進党代表選挙を解説してみました
2016年09月1日 公開
岡田克也代表の任期満了に伴う、はじめての民進党代表選挙が9月に実施されます。9月2日(金)が告示日で、9月15日(木)の臨時党大会に選挙が実施されます。
民進党代表選挙は基本的に民主党代表選挙の方式を引き継いだものとなっています。国政選挙と違い、ポイント制を導入していることから、皆さんから「わかりにくい」という声をいただくことがあり、こちらで少し解説してみたいと思います。
代表になれるのは党所属の国会議員
代表選挙は民進党に所属する国会議員のなかから選ばれます。内閣総理大臣は衆議院議員から選ばれますが、民進党代表は、参議院議員でも衆議院議員でもよいことになっています。
ただし、誰でも立候補できるわけではなく、民進党国会議員20名以上の推薦を集めなければなりません。多くの仲間から信頼される国会議員が立候補できる仕組みです。
投票できる民進党の党員・サポーターは5月31日までに登録された方
民進党の代表を決める選挙ですから、当然、民進党に所属している人しか投票できません。国会議員、公認候補予定者(次の国政選挙において党公認で立候補する予定の人)、地方議員は、告示日の7日前まで(今回の場合は8月26日まで)に名簿に登録されていることが条件となります。
党員・サポーターは、18歳以上の日本国民で、提示登録日(原則として毎年5月31日)までに党に登録された人に投票権があります。
「今から民進党の党員やサポーターになって、代表選挙に参加したい!」と思っていた方、ごめんなさい。2016年9月1日現在、今年度の党員・サポーターの募集は停止してます。個人的には代表選挙にかかわらず、民進党に参加してくれる方は常に募集しておくべきだと思うのですが…。
国会議員・予定候補者の意向が反映されやすいポイント制
民進党代表選挙は、ポイント制を採用しています。国政選挙では、誰でも一人一票ですが、ポイント制は、その立場によって一票の影響力が大きく異なります。それぞれのポイントは以下の通りです。
- 国会議員
- 1票=2ポイント 147名⇒294ポイント
- 公認候補予定者
- 1票=1ポイント 118名⇒118ポイント
- 地方議員の総ポイント数
- (国会議員総ポイント+公認候補予定者総ポイント)× 1/2 = 206ポイント(1,586名)
- 党員・サポーターの総ポイント数
- (国会議員総ポイント+公認候補予定者総ポイント)× 1/2 ×(当該都道府県有権者数/全国有権者数 + 当該都道府県の党員・サポーター数/全国の党員・サポーター数)× 1/2 = 231(235,211名)
すべての総ポイント数 849
国会議員1人2ポイントで、公認候補予定者は1人1ポイントでわかりやすいですね。
地方議員は、全国を1つの比例区とし、総ポイントをドント式で配分します。ドント式といっても、代表選挙の当選者は1名なので、総ポイントを得票率で分配すると考えればよいと思います。
- 例:候補者が2人だった場合・・・地方議員総ポイント=206ポイント(有権者数1,586名)
- A 候補 950票 得票率 60% 124ポイント
- B 候補 636票 得票率 40% 82ポイント
党員・サポーターは、各都道府県にポイントが割り振られ、都道府県ごとにドント式に割り振ります。
- 例:千葉県の場合 10ポイント 有権者数8,899名(うち6,000人が投票した場合)
- A 候補 1,800票 得票率 30% 3ポイント
- B 候補 4,200票 得票率 70% 7ポイント
国会議員と公認候補予定者は15日の臨時党大会で直接投票します。地方議員と党員・サポーターは郵送での投票になります。最初の投開票で過半数のポイントを獲得した候補者がいれば、その候補が代表に決定しますが、どの候補も過半数を得られなかった場合は、上位2名による決選投票となります。決選投票になった場合、地方議員や党員・サポーターには投票権がありません。現行のシステムは国会議員・予定候補者の意向が反映されやすい制度といえます。
次回代表選挙は地方議員や党員・サポーターの声をもう少し反映しやすいシステムに
現行のシステムは民主党からのものを引き継いでいるので、次回からの代表選挙は民進党の新しい方式を取り入れてほしいものです。
例えば、代表選出馬推薦人を20人から10人にして立候補しやすくする。選挙期間をもう少し長く区切り、複数候補が予備選方式で政策をぶつけ合うというのはどうでしょうか? 選挙期間が長ければ、それぞれの候補がスローガンを掲げたり、党員・サポーターや政治に関心のある方々、18歳未満の方たちなど大々的に巻き込んだ対話集会などを各地で開くことができます。多くの党員やサポーターはもちろん、党員やサポーター以外の国民の意見を汲みあげることも重要です。
地方議員の私としては、それぞれの候補と意見交換をしてみたいと考えています。