「学校に行きたくない」にどう応える?子どもを不登校にさせない母の接し方
塾講師Naoの"子どもの力をぐんぐん伸ばすコツ" vol.5
2016年09月7日 公開
塾講師Naoの“子どもの力をぐんぐん伸ばすコツ” 子育てコラム
お子さんが「学校に行きたくない」と言ったら、どんなふうに応えますか?
安心して甘えることが許される唯一の存在「お母さん」だからこそできることがあります。不登校やひきこもりに発展させないための、心のケアについて考えてみましょう。
母と子の「信頼関係」が子どもの勇気と前向きさを育む
小学生卒業までは、まだまだ甘えたい時期。深刻な悩みを抱えていなくても、心身の疲労や怠け心で「学校に行きたくない」と訴えることがあります。
ですが、少し休んでエネルギーをチャージすれば、じっとしてなどいられなくなり、また元気に学校へと走り出すのが子どもです。ストレスを抱えたまま無理に学校に行ってはうまくいかず、さらに自信を失ってしまう可能性があります。本気で訴える「行きたくない」は受け流したり弾き飛ばしたりせず、真剣に対応してあげましょう。
ただ、子どものSOSを受け止めるには信頼関係が必要です。
子どもの話をじっくり聞いたり、努力したことやできたことを認めたりする機会が少なく、いつも「そんなんじゃダメ」「もっとしっかりしなさい」と高い能力ばかり求めていると、子どもは「ママに嫌われたくない」「こんなことを言ったら、叱られる」と心に溜め込んだストレスを発信することができなくなってしまいます。
子どもの不登校を防ぐには、“帰れば無条件の愛情をもらってエネルギーチャージをすることができ、次の日には「よし、頑張ってみよう」と勇気を出せる”家庭環境を整える必要があります。子どもにとっての“ひだまり母さん”になるには、次のように子どもと向き合うことが大切です。
子どもの心を受け止める向き合い方3つ
1:子どもの話を「聴く」
「ねぇねぇ、ママ!あのね・・・」と子どもが話してきたとき、じっくり話を聞いてあげていますか?
たとえば、「ケンカしちゃった」と子どもが言ってきて、話を聞いていくうちに “どうやらうちの子が悪い”と気づいたとき。それでも子どもの言い分を最後まで聞いてあげていますか?
子どもはまだまだ未熟。「こっちの方が正しいから」という理由だけで、自分の気持ちを抑えることが上手くありません。悪いとはわかっていても抑えられなかった気持ちがあったのです。それを吐き出さないうちに「あなたが悪い」と言われても、素直に受け入れることは難しいもの。
だって、僕(私)の話をわかって欲しくてしてしまったことなのですから。聞いてもらって、わかってもらって、初めて安心できるのです。
「ちゃんと聞いてくれた」「わかってくれた」と安心して初めて状況を整理し、「僕(私)が悪かったのかもしれない」「こうすればよかった」と正しいことやすべきことに気持ちを向けることができます。
まずは、たとえどんな状況でも最後まで言い分を聞いてあげてください。子どもがどんなに恥ずかしくても話すことができるのは、“お母さんだから”なのです。
2:無条件に信じる
「テストでなかなか高得点が取れない」「運動が苦手」「友達との関係がうまくいっていない」など、子どもが何かに躓いているとき、「◯◯が苦手なのね」と“できないレッテル”を貼っていませんか?
お母さんに「◯◯ができない」と言われた子が「いや、絶対にできる!」と信じて挑戦し続けるのは至難の技。たいてい「できないんだ」と思って自信を失い、練習や克服のための行動から逃げてしまいます。
「できるまでとにかく頑張れ」と発破をかける必要はありませんが、「頑張れば、必ずできる。お母さんは、信じて応援しているよ」という気持ちで温かく見守ってあげてください。
周りの大人ができないと決めてしまったことを、子どもの力だけで乗り越えることはとても難しいもの。「できるようにするにはどうしたらいいか?」を考え、挑戦できるよう応援してあげることが大切です。
3:目標はスモールステップで設定する
子どもが抱えている悩みを改善するためにアドバイスをするのなら、“スモールステップ”にすることを心がけましょう。
ちょっとの努力ですぐに変えられそうなことなら、子どもは頑張れます。
たとえば、算数の計算を得意にするために分厚い問題集を買い与えても、「もっとできるようになりたい!」「やってみたい!」とは思ってくれません。
自ら苦手克服に向けて取り組むようになるのは、そのことを好きになってから。算数の分厚い問題集は、算数が好きで好きでしかたない子に与えなければ喜んで受け取らないでしょう。
算数の計算ならば、まずは身近なお菓子を数えたり、分けたりして数と親しみ、「楽しい!」「できる!」と実感することが大切です。学校での過ごし方や人間関係でも同じ。今の自分にでもできそうなことを実践し「できた!」「楽しい!」と実感することが、レベルアップへの原動力になります。
人生を思いっきり楽しめるように
子どもへの接し方に悩んだら、「この子が人生を楽しめるようにするには?」という視点で言動を考えましょう。「ここに帰って来れば大丈夫」と安心できる空間や、「自分にも、できる!」という自信が明日への勇気と行動力を生み出します。ぜひ、3つのポイントをおさえて、安心して成長できる環境を整えてあげてくださいね。
Nao Kiyota
塾講師ライター。子どもたちがもっと夢中で学べるよう、日々格闘中。美容・健康分野でも執筆活動をしている。
- 保有資格等
- 教育系:小学校免許/特別支援学校免許/IEEC TEACHER TRAINING CENTER AND OXFORD UNIVERSITY PRESS Teacher Training Program 2013
- 心理系:メンタル心理カウンセラー/上級心理カウンセラー
- 健康系:ダイエットアドバイザー/リンパケアセラピスト