「作文大嫌い」を克服!小学生時代の“文章力の高め方”
塾講師Naoの"子どもの力をぐんぐん伸ばすコツ" vol.2
2016年06月8日 公開
塾講師Naoの“子どもの力をぐんぐん伸ばすコツ” 子育てコラム
「うちの子、作文が大嫌いで……」
こんなご相談をよく受けます。確かに、子どもたちの中には「書くことが苦手」「たくさん書かなければならない作文は面倒で大嫌い」という子が多いです。
でも、大丈夫。
「面倒」「嫌だ」を取り除き、文章力を高めるサポートをしてあげることで、子どもたちは作文が大好きになります。
「自分のため」では面倒くさい
子どものころを思い出してみてください。授業で作文を書くことが好きでしたか?
「嫌いだった」という保護者の方は、お子さんの「作文大っ嫌い!」に共感できるのではないでしょうか。「書かなければいけないから、とにかく何か内容を考えて指定の枚数に届くまで書く」という“義務感”は、作文を書き進めることを苦痛にしてしまいます。
そのため、
「宿題なんだから、ちゃんと書きなさい」
「書いた方が国語の力が伸びるから、たくさん書きなさい」
「どうしてこんなに短いの?もう少し長く書かないと」
などの「必要だから、やらないとダメよ」という言葉がけでは、子どものやる気を引き出すことはできません。「あなたのためよ」と伝えても、「書かされている」という義務感は抜けないからです。
「(将来の)自分のため」では、なかなかやる気が出てきません。それなら、「誰かのため」に書くよう導いてあげましょう。
「なかなかお話する時間がなくて寂しいな。ママに、学校であったことや今日楽しかったことなどを書いて教えて!」
「このお話、とっても面白いね。続きが読みたくなっちゃった!書いてくれると嬉しいな」
「田舎のおじいちゃん、おばあちゃんに手紙を書こうよ」
「自分の(学力の)ため」ではなく「他の誰かのため」に書くことが大切。
“誰かに、何かを伝える”ために書く文章は、その子の文章力を高めます。「相手がわかりやすい書き方は?」「どんなふうに書いたら、感動的かな?」などと考え、工夫することができるからです。
まずは「書くことが好き!」が目標
最初のうちは、「書いたこと」をたくさん認めてあげましょう。
「気持ちを教えてくれてありがとう。嬉しいな。」「へぇ〜!今日、こんなことがあったんだ!楽しそうだね!」と、感想を伝え、「書いてよかった」という嬉しい体験を積み重ねます。
「字が間違っているから、書き直してきなさい」「短いから、続きを書いてもう一回持ってきなさい」と“やり直し”をさせるのはNG。作文が大嫌いになって書かなくなってしまったら、語彙力や構成力を向上させることはできません。
感想を伝えた後に「それって、“恥ずかしかった”ということだよね」「こういう言い方もあるのよ」「あー!そうか、◯◯という意味で書いたんだね」などと、別の表現や正しい言い回しを伝えてあげればOK。文章力は少しずつ、一つずつ高めていきましょう。
書けるようになったら「わかりやすく」「正しい言葉づかいで」
ある程度書くことに抵抗がなくなってきたら、「正しい表現」「正しい漢字」を意識させましょう。
基本的な文法や書き言葉に慣れ、自由に書くことができるようになったらレベルアップ。ことわざや四字熟語、難しい熟語、比喩表現などを組み込んでいきます。
「今日の国語で習った漢字を使おう」「『一生懸命』という言葉を必ず1回使ってね」などとミッションを課しても良いでしょう。
また、書くことに抵抗がなくなったお子さんには、「日記」を書く習慣をつけてあげてください。自分の気持ちや考えを自分の言葉で説明したり、語ったりすることができる力は、将来必ずその子の味方になってくれます。コミュニケーション能力の向上や、作文での文章力を高めるトレーニングとしても役立ちます。
書いたら「ありがとう」読んだら「嬉しかったよ」
一生懸命書いた文章を読んでくれる人がいて、しかも喜んでくれたら、とても嬉しい気持ちになりますし、「もっと書きたい!」と思えますよね。
子どもが作文を書いたら、何よりもまず“認めてあげること”を忘れないでください。
文章を書くことが大好きになったとき、子どもの文章力はぐんぐん伸びていきます。
社会では「自ら考え行動し、新しいものを生み出す人材」が求められます。このことは中学、高校、そして大学の入試問題を見ても明らか。グラフ化や論文形式などの“筋道をたてて考え、整理し、正しく表現する力”を問う問題が増えています。現代の子どもたちには、未知の課題を解決するのに必要な思考力や表現力を自在に使いこなす“主体性”が必要
Nao Kiyota
塾講師ライター。子どもたちがもっと夢中で学べるよう、日々格闘中。美容・健康分野でも執筆活動をしている。
- 保有資格等
- 教育系:小学校免許/特別支援学校免許/IEEC TEACHER TRAINING CENTER AND OXFORD UNIVERSITY PRESS Teacher Training Program 2013
- 心理系:メンタル心理カウンセラー/上級心理カウンセラー
- 健康系:ダイエットアドバイザー/リンパケアセラピスト