ゴールデンウィークまでが勝負!? 新学期でつまずく子どもの支え方
塾講師Naoの"子どもの力をぐんぐん伸ばすコツ" vol.12
2017年04月6日 公開
塾講師Naoの“子どもの力をぐんぐん伸ばすコツ” 子育てコラム
「うちの子は春になると、体調を崩したり学校に行くのをしぶったりします」というご相談をいただくことがあります。新学期は、クラスの先生や友だちが変わったり、学習内容が変わったりと、1年かけて慣れてきた生活に変化が訪れます。子どもも、不安やストレスを抱えています。ゴールデンウィークを終えるまでは、子どもたちの不安に寄り添って、支えてあげることが大切です。
新学期はストレスフル
年度の切り替え時は、人事異動や転勤、子どもの新学期への対応など、大人にとっても変化の大きな時期ですよね。子どもにとっても、心身ともに疲れやすく、不安を感じやすい時期です。
大人も忙しいため、つい「次の学年になったのだから、しっかりしなさい!」や「どうして○○ができないの?もう△年生なのに……」などとできない部分が気になり、叱ってしまいますよね。
「確かに、その通りだ」と気づき、行動に移せる子であれば対応できますが、「そもそも、それができないから困っているんだ!」と不安に苛まれている子は「どうせ、ぼく(わたし)は……」と自信を失ってしまいがちです。
まずは、「子どもにとっても、心身が不安定になりやすい時期だ」と心得て子どもに寄り添ってあげましょう。よく相談が寄せられる「学校へ行きたくない!」という子への対処例を、2つご紹介します。
学校に行くこと自体に不安を感じている場合
「クラスが変わったから、学校に行くのが嫌!」などと、新しい環境に飛び込むことをためらっている場合は、「嫌なことがあったら、いつでも言ってね」「辛くなったら、帰っておいで」などと心の拠り所を示してあげましょう。「家に帰れば、味方がいる!」と思える安心感が、前へ進む勇気になります。
「別に頑張らなくたって、いいじゃん!」と努力を放棄しようとしている場合には、受け止める居場所をしっかりと準備した上で(それを、子どもが気づいている・知っていることが大切です)、「どんな人がいるところでも、そこで頑張ることが大切」「自分の居場所は、自分で作る必要がある」ことを伝えます。
学びに対して積極的になれない場合
学習内容についていけずに学校に行くことが嫌になっている場合には、できる自信を持てるようにするサポートを。特に算数の計算問題や漢字は、現段階のところまでをしっかりと押さえておくことが大切です。
計算ができなければ、新しく習った単元の解き方を理解しても自分で答えを導き出すことができなかったり、時間がかかりすぎて嫌になってしまったりします。
また、漢字が読めないと全ての教科で“何を書いてあるのかがわからない”状態になり、どんどん遅れてしまいます。必要ならば前の学年以前の単元に戻り、基礎力をつけましょう。
食事のときの子どもの様子をしっかりチェック!
人間関係や学習面での一例をご紹介しましたが、悩みも、解決策(何なら、頑張れそうか)も、子どもによって違います。具体的にどこに不安があるのかをつかむことが、解決への第一歩です。
毎日の生活の中で、顔を合わせて自然に話すことができる「食事の時間」を活用するのがおすすめ。
大好きなもののはずなのに喜んで食べていない、いつもは話しすぎて食事が進まず怒られるくらいなのに今日は何だか口数が少ない、など、子どもの小さな変化にも気づきやすい時間です。「食事の時間は、子どもの様子をしっかりと見つめよう」と決めて続けることで、日々の変化にも敏感でいられます。
ゴールデンウィークをすぎ梅雨が明ける頃には、夏休みが楽しみで仕方ない、元気な子どもたちになっているケースが多いです。
春は、子どもにとっても、親にとっても勝負の季節。とはいえ、大ごとにしたり、神経質になりすぎたりせず、「失敗しても、大丈夫だよ」とおおらかに構えてあげてください。子どもは、頑張る力をもっています。
Nao Kiyota
塾講師ライター。子どもたちがもっと夢中で学べるよう、日々格闘中。美容・健康分野でも執筆活動をしている。
- 保有資格等
- 教育系:小学校免許/特別支援学校免許/IEEC TEACHER TRAINING CENTER AND OXFORD UNIVERSITY PRESS Teacher Training Program 2013
- 心理系:メンタル心理カウンセラー/上級心理カウンセラー
- 健康系:ダイエットアドバイザー/リンパケアセラピスト