子どもがお箸を使えるようになるには
立石美津子の子育てアドバイス vol.08
2016年11月14日 公開
「お箸や鉛筆を正しく持つ」って結構難しいですよね。子どもだったら尚更です。そうなると「そのうち正しく持てるようになるからほっておいても大丈夫」と思いたくなりますがそれは大間違いなんです。一旦間違った持ち方がついてしまうと一生物になってしまいます。テレビの食レポなどで綺麗なタレントさんが食べている手元が変なお箸の持ち方だと興ざめしてしまうことってありませんか?
こんにちは。『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子です。
手づかみを卒業して、スプーン・フォークを使えるようになると次の課題が「お箸を正しく持たせること」ですね。4歳くらいになったらそろそろお箸を持たせましょう。
でも、お箸って2本の道具を操作するので結構子どもに取ってはハードルが高い課題なんです。
子どもがやりがちなお箸の持ち方
- ×握り箸
- 箸を握って持つことです。
※これは間違った持ち方ですがこの写真をよく見ると下側から握っています。上側からお箸を握るよりはより正しい持ち方には近づいています。まだ、スプーンを使わせている場合はたまには下側から持たせるようにして、来るべきお箸の練習に備えましょう。
- ×寄せ箸
- 箸で食器を自分の方へ引き寄せることです。
- ×ねぶり箸
- 箸についたものを舐めることです。
- ×刺し箸
- 食べ物に箸を突き刺して食べることです。
- ×仏箸
- 箸を食べものに突き刺して立てることです。(ご飯の上に刺すのは葬儀で死者に御飯を供えるときです)
- ×渡し箸
- 食事の途中で食器の上に箸を並べておくことです。「もういりません」御馳走様のサインです。箸置きを家庭でも使うようにするとこれをしなくなります。
- ×さぐり箸
- 食器の中を箸で探ってとることです。
- ×迷い箸
- テーブルの上のおかずを箸を使ってあちこち動かすことです。
- ×くわえ箸
- 箸を口にくわえて食器をもつことです。
- ×箸渡し
- 誰かと箸と箸を使っておかずを渡し合うことです。(これは火葬場で骨を拾うときの儀式です)
そのほかレストランでやっている大人をたまに目にしますが、工作のように二本の箸をバラバラにして固い肉や魚を分解しているのもお行儀が悪いですよね。
正しい持ち方はこちらです
道具に頼ろう
お箸の持ち方を親が教えるのは大変です。こんな便利なお箸“エジソン箸”がありますので利用してはいかがでしょうか。
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叱られることが多い食事時間
食事の時間はマナーの中で教えなくてはならないことが沢山あります。
- 「ピチャピチャ音を立てて食べないの!」
- 「手を使わないで!」
- 「好き嫌いしないで食べなさい!」
- 「残さず食べなさい!」
- 「零さないで!」
- 「頂きますは?」
- 「ごちそうさま?」
- ついつい小言が多くなってしまいます。
けれども、せっかくの楽しい食事時間、叱られることが多くなると子どもだって胃が痛くなってしまいますよね。消化にも悪いです。お箸の持ち方を別の時間に設定してみましょう。
(c)あべゆみこ
食事時間以外に設定しよう
子どもって男の子も女の子もままごとが好きです。100円ショップで本物のキッチングッズを買ってきて遊びましょう。こんな風にメラニンスポンジをおかずに見立てて遊びましょう。
このように食事中、正しくつかめるようになります。
テッシュ箸でつかみ取りゲーム
テッシュを丸めたものを床にばらまき「ヨーイドン!」で競争して箸でつまんで集めるゲームです。
移動させるゲーム
掴むものをだんだん難しくしていきます。最初は割り箸に輪ゴムを付けると滑りにくくなります。(5分の制限時間の中で)
- 角切りのスポンジをお皿からお皿へ何個移動できるかゲーム
↓ - 福豆を5分間で何個移動できるかゲーム
↓ - 小豆を5分間で何個移動できるかゲーム(*結構、大人でも苦戦します)
最後に
お箸と鉛筆の持ち方は連動しています。お箸を2本のお箸を持ったとき、下の一本を抜いたのが正しい鉛筆の持ち方です。ですから、お箸を正しく持てる子どもは鉛筆も正しく持てます。
以前、ある女優さんが有名和食レストランを訪ねて食レポする番組がありましたが、言葉遣いや見た目はとても素敵なのですが酷い持ち方をしていて興ざめでした。せっかくの美人さんが台無しですね。
“たかが箸の持ち方されど鉛筆の持ち方”です。
小さいお子さんのいるかたは今から意識してみてくださいね。
立石美津子(たていし みつこ)
子育て本著者、講演家。聖心女子大卒。幼稚園・小学校・特別支援学校教諭免許を取得後20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。自閉症児の母。著書は『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』など多数