県立高校トイレ洋式化率・全国ワースト4位の千葉県、洋式化率の明確な目標設定を!
平成29年9月定例県議会(本会議)一般質問の質問と答弁【その5】
2017年10月10日 公開
私、安藤じゅん子は、2017年9月27日の千葉県議会定例会の一般質問に登壇しました。
千葉県議会の一般質問は、質問者(議員)が質問項目すべてを一気に質問し、続いて担当部署ごとに答弁、その後質問者が再質問を行うという、一括質問の形式を採用しています。ホームページでは、各項目ごとに質問内容と、行政の答弁を分かりやすくまとめて掲載します。
3つ目の質問項目は、教育行政についてです。
今回は教育行政のうち(1)スクールカウンセラーについて、(2)県立高校のトイレ洋式化率について質問しました。
スクールカウンセラーについて
中学校全校配置の強みを活かし
市町村教委と連携した取り組みを!
平成29年8月29日、中央教育審議会(以下中教審)より学校における働き方改革に係る緊急提言が公表されました。
その提言内容は、
- 校長及び教育委員会は学校において「勤務時間」を意識した働き方を進めること
- 全ての教育関係者が学校・教職員の業務改善の取り組みを強く推進すること
- 国として持続可能な勤務環境整備のための支援を充実させること
を掲げ、3点目の支援充実の取組において、チームとしての学校の実現に向けた専門スタッフの配置促進を明記しました。
この中教審提言を受け、平成30年度より文部科学関係概算要求の中で教職員定数改善が図られるとともに、専門スタッフ・外部人材の拡充としてスクールカウンセラーの配置拡充、1,500校増、全公立小中学校2万7,500校に配置するなどの予算として48億円あまりが盛り込まれました。
スクールカウンセラーへの相談には、一定程度、保護者からの相談が含まれており、不登校や友人関係が相談内容の上位を占めています。スクールカウンセラーは、児童本人のサポートはもちろんですが、保護者やご家族へのサポート、支援にもなります。
しかしながら、現状の小学校のスクールカウンセラーの配置については、市町村ごとに配置格差があるようです。
たとえば、県教委が大規模校6校に配置しています松戸市は、市教委として45校中1校のみ配置の配置です。一方で、県教委が2校配置している船橋市は、市教委として54校すべてに配置しています。
こうした配置格差からも、スクールカウンセラーを積極的に配置している市町村教委と県教委が配置しているスクールカウンセラーの情報共有を県教委主体ですすめていっていただきたいと思います。そして、国が示す小中学校全校配置までの間、千葉県が完了している中学校全校配置の強みを活かし市町村教委と連携していただきたいと思います。
- 安藤じゅん子の質問
- 「県として、スクールカウンセラーの成果と課題についてどのようにとらえているか?」
- 答弁(内藤敏也教育長)
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県教育委員会では、各学校における教育相談体制の充実を図るため、現在、公立小学校140校、全公立中学校324校、県立高等学校80校にスクールカウンセラーを配置している。
成果については、各学校において、スクールカウンセラーの専門性を生かし、複雑化、困難化した児童生徒の課題に、学校全体がチームとして取り組む体制が構築されつつあることなどが挙げられる。
また、課題については、相談内容が複雑化・多様化していることに加え、未配置の学校は近隣の学校のスクールカウンセラーが対応しているところ、派遣要請が増えており、一つひとつ丁寧な対応を行う中で、スクールカウンセラーの負担が重くなっていることなどが挙げられる。
- 安藤じゅん子の質問
- 「災害にあった児童生徒が安心して学校生活を送るためのケアについて、スクールカウンセラーの対応は大丈夫か?」
- 答弁
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児童生徒は、災害が発生した際、心理的な影響を受けやすく、心の不安や悩みを抱えることが考えられるため、カウンセリングを行うなど、心のケアがたいへん重要であると認識している。
そのため、災害が発生した場合には、当該校を担当しているスクールカウンセラーが、児童生徒の心のケアや教職員、保護者への助言にあたるとともに、教育事務所等に配置されている経験豊富なスクールカウンセラースーパーバイザーが、児童生徒の心のケアの進め方や組織的な支援体制について指導や助言を行い、支援の充実を図る。
また、さらなる支援が必要な場合には、県教育委員会が全県的なネットワークを生かして人材を派遣し、児童生徒の心のケアに向けて支援の充実を図ることとしている。
県立高校のトイレ洋式化率について
洋式率が全国で下から4番目の千葉県
明確な目標を設定し、洋式化を進めるべき
日頃生徒たちが使用する都道府県立高校のトイレ(職員用を除く)の様式化率は、全国平均35.8%で、岐阜県の62.4%が最も高く、次いで香川県57.6%、沖縄県56.6%、福岡県49.5%となっています(平成29年4月1日現在)。
一方、洋式化率の低い都道府県は、愛媛県が18.6%で最も悪く、山口県18.9%、茨城県23.9%、千葉県24.0%となっており、千葉県の県立高校のトイレ洋式化率は日本で下から4番目に低いということが判明しました。
洋式化に関する各都道府県教育委員会の整備方針については、洋式化率を約90%以上とするものは13教委で、約80%以上は3教委、約60%以上が9教委で、50%は、1教委となっています。明確な方針がないなどと回答したところは、15教委ありました。他方、埼玉県教委は原則100%洋式便器とするなど独自の方針や目標を掲げるところが6教委でありました。
- 安藤じゅん子の質問
- 「本県の県立高校のトイレ洋式化率は24.0%であり、全国で下から4番目であることに対する県教育委員会の認識はどうか?」
- 答弁
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県立高校の建物の多くは、生徒の急増期であった昭和50年代に建築されており、当時の仕様では、洋式トイレはほとんど設置されなかった。その後、生活様式の変化もあり、一般住宅や公共施設ではトイレの洋式化が進んでいる。
県教育委員会では、和式便器の破損により交換修繕が必要となった場合や、障害のある生徒の在籍状況等に応じて対応を図ってきたが、未だに少ない状況にあると認識している。
- 安藤じゅん子の質問
- 「まずは整備方針において目標を設定し、生徒や学校と協議することがトイレ洋式化率を高めていくことに資すると考えるがどうか?」
- 答弁
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県教育委員会では、県立高校のトイレの洋式化に関する整備方針を定めていないが、整備に当たっては、学校と相談しながら洋式化を図っている。
学校は、生徒が1日の大半を過ごす学習・生活の場であり、トイレを含めた学校施設全体が快適な環境であることが重要なことから、トイレの洋式化については、引き続き各学校の状況に応じた対応を図るとともに、校舎等の大規模改修を実施する際に併せて実施していきたいと考えている。