千葉県はわずか7.4%!県主導で大規模盛土造成地マップの公表率アップを要望
平成29年9月定例県議会(本会議)一般質問の質問と答弁【その1】
2017年10月10日 公開
私、安藤じゅん子は、2017年9月27日の千葉県議会定例会の一般質問に登壇しました。
千葉県議会の一般質問は、質問者(議員)が質問項目すべてを一気に質問し、続いて担当部署ごとに答弁、その後質問者が再質問を行うという、一括質問の形式を採用しています。ホームページでは、各項目ごとに質問内容と、行政の答弁を分かりやすくまとめて掲載します。
一つ目の質問項目は、消防・防災についてです。
このページでは、そのうちの、(1)大規模盛土造成地マップについて、(2)家具の転倒防止対策についての質問とその答弁を掲載していきます。
大規模盛土造成地マップについて
災害の危険周知の徹底を!
わずか7.4%の千葉県の公表率を上げるべき
谷や沢を埋めた造成宅地や、傾斜地盤上に腹付けした大規模な造成宅地は、大地震などの災害発生時に、滑動崩落(盛土と地山との境界面や盛土内部を滑り面とする盛土の地滑り的変動)が生じ、造成宅地における崖崩れや土砂の流出による被害が発生する恐れがあります。
国は地方公共団体に対して、大規模盛土調査を実施し、その結果を公表し、住民の理解を深め、危険個所の滑動崩落防止工事を進めていくことが重要としています。
しかし、市区町村では災害の体験の有無で温度差があるのが実情で、大規模盛土造成地マップの調査結果を公表率(調査結果を公表した市区町村の割合)も100%の都府県もあれば、0%の県もあります。千葉県はわずか7.4%
2017年9月現在、滑動崩落防止まで進んでいるのは、熊本県熊本市、新潟県柏崎市、大阪府岬町、兵庫県西宮市のみです。今月上旬に視察した際に熊本市で聞いた話では、昨年の時点では対策をしていなかったため熊本地震で困難があったとのことです。
参考:大規模盛土造成地の滑動崩落対策について(国土交通省)
(ページ下部に全国の都道府県別公表率があります)
- 安藤じゅん子の質問
- 「国が進める大規模盛土造成地マップについて、公表率を上げるべきと思うがどうか?」
- 答弁(森行方寛都市整備局長)
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国が規定する大規模盛土造成地は、盛土の面積が3,000平方メートル以上の「谷埋め型」及び傾斜の角度が20度以上の地盤に高さ5メートル以上の盛土をした「腹付け型」の盛土造成地とされている。
本県では、面積や高さに関係なく、全ての盛土地を示した盛土マップを県の防災ポータルサイト上で公表しているところであり、国のホームページにもリンクを貼り閲覧できるようにしている。
なお、国が規定する大規模盛土造成地マップの公表率を上げることも重要と考えており、引き続き、市町村に作成を働きかけるとともに、県の支援策等についても検討してまいる。
- 安藤じゅん子の要望
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千葉県が7.4%と公表しているこの市町村割合だが、現在、公表率が70%を超えている都道府県は、おおむね県レベルが主体となって調査を進めていることから、本県においても県が主体となり調査を進めていただくことを含めて、検討してもらいたい
家具の転倒防止対策について
「啓発」だけでは進まない
民間企業や市町村と連携して対策促進を!
私、安藤じゅん子は、地域防災力向上の一端を担うべく、民間資格の防災士を取得し、防災リテラシーのブラッシュアップをはかり、機会を捉えて防災や減災のさまざまな先進事例を学んできました。そのなかで、自宅の安全確保が重要であるということを再認識しました。
この度、8年ぶりに改訂された「千葉県地震防災戦略」は被害想定の見直しと被害者・被害金額の半減という大きな目標が掲げられています。その中で「家具の転倒防止対策の推進」においては、家具の転倒防止対策実施率を、現状の58.6%から、目標70%とするとありますが、この数字を啓発活動のみで高めることは困難ではないかと考えています。今現在も家具の固定化をなさっていない県民がどうしたら実際にアクションを起こせるかを考えていくべきであると思っています。
- 安藤じゅん子の質問
- 「県民の地震による被害を防止するため、民間企業、団体や市町村と連携して積極的に家具の転倒防止対策を促進していくべきと考えるがどうか?」
- 答弁(横山正博防災危機管理部長)
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県民一人ひとりが地震から命を守る上で、家具の転倒防止対策は大変重要な対策の一つであり、より一層の実施率向上を図る必要があると考えている。
県内市町村では、高齢者世帯等における家具の転倒防止対策として、17市町村が工事費の助成や取付事業者の紹介などの支援を行っている。
県としても、県民に積極的に家具の転倒防止対策を講じていただけるよう、引き続き各種媒体を活用し啓発を行うとともに、民間企業、団体や市町村と連携した取組について、他県における事例なども参考に研究をしてまいりたい。