意思決定の場にもっと女性を!

パネルディスカッション「女性の力で政治を変える~女性県議会議員とともに~」

2016年07月25日  公開

      安藤じゅん子の気づき


女性が参政権を得て70年目を迎えます。以来、女性が選挙で投票ができ、また女性が政治家として発言することもできるようになりました。
しかしながら、現在の日本社会は、まだ充分に女性が暮らしやすい、働きやすい環境が整っているとは言い難い状況です。
女性の声を政治に届けるには、もっと女性議員が増えることが重要です。

私、安藤じゅん子は先月、松戸市女性センターにて開催された、「女性の力で政治を変える~女性県議会議員とともに~」にパネリストとして参加しました。

冒頭では、映画ハリー・ポッターシリーズなどで活躍している女優、エマ・ワトソンUN Women親善大使の国連でのスピーチの動画が流されました。

続いて、湯浅和子元千葉県議会議員と三輪由美千葉県議会議員(共産党)、そして私、安藤じゅん子(民進党)によるパネルディスカッションが行われ、千葉県が抱える課題などについて意見交換がなされました。

保育所に入れるために、何かを犠牲にしなければならない異常さ

女性が働きやすい社会を考えた時に、やはり「子育て」は切り離せない問題です。子育ての喫緊の課題のひとつとして、保育園の待機児童問題が挙げられます。
千葉県は、保育所の数は全国で9位なのですが、人口10万人当たりの保育所数は全国で、47番目、最下位です!

三輪議員からは、保育所に関する切実なお話がありました。
「両親とも正社員のご家庭で、その市ではどうしてもお子さんが保育所に入れないという状況になってしまいました。その時の選択肢は3つだったそうです。①どちらかが会社を辞めて家で子育てをする、②離婚して保育所に入れるようにする、③保育所に入れる別の自治体へ引っ越す。結局この夫婦は③の選択肢を選びました」

男性目線で考えると、①の選択肢で、女性が家庭に入るという考え方があるかもしれません。しかし、女性だって正社員として積み上げてきたキャリアがあり、仕事を諦めたくないという人も多くいます。また、経済的な理由で、共働きをしなければやっていけないというケースもあります。
保育所に入所させるために離婚をせざるを得ないというのは、あまりにも理不尽です。保育所のために転居というのも、苦渋の選択だったと思います。

こうした状況を一刻もはやく解決しなければなりません。そのためにも、政治の場に女性が必要であると私、安藤じゅん子は考えます。

政治や行政の意思決定の場に女性を増やすべき

千葉県は47都道府県のなかで唯一、男女共同参画を推進する条例が制定されていません。
千葉県議会の女性議員は、わずか9名で、最大会派である自民党には女性議員はひとりもいません。現状は、女性の声がなかなか県政に反映されにくい状況であるといえます。

湯浅氏は県議会議員時代に、森田知事に対して、女性県議との懇談会を何度も申し出ていたそうですが、知事は「議会でやりましょう」との回答で、実現することができなかったそうです。

安藤じゅん子も三輪議員も、千葉県のトップが女性視点に欠けているという点で同意見でした。千葉県では、福祉の管理職にようやく女性職員が1人就きましたが、女性管理職を増やすという点においては、県はやや後ろ向きのように感じられます。
一方で千葉市は「千葉市女性職員活躍推進プラン」を作成し、2020年度までに女性管理職の比率を20%とするなど数値目標を掲げ、育児や介護でポストを離れても元の職位に戻れるなど登用や昇任を支える制度を盛り込んでいます。その取り組みの積極性には大きな差があります。

重要な意思決定の場に女性がいないと、女性視点の施策はなかなか前に進みません。
女性管理職の数値目標を設定することに関して、「数合わせでは意味が無い」という批判があります。しかし「数」が意味を持つこともあります。

例えば、10名の幹部会議で、女性が1名だけしかいなかった時、その女性が意見を述べた時のバッシングがひどい時があります。その攻撃が個人攻撃だったり、精神的にキツかったりすると、いつしか発言を控えてしまったり、あるいは男性のイエスマンになってしまうこともあります。

また、女性管理職が「お飾り」になってしまってはいけません。
例えば、女性管理職の部署が幹部職員への登竜門となるような部署ならば、優秀な人材が集まり、施策も前に進めやすくなります。一方で、「定年前の花道」的な管理職であったらば、その部署も幹部職員本人も「事なかれ主義」になりかねません。

組織のトップが女性管理職に対する理解を持っていることが必要です。
安藤じゅん子は、県も千葉市のように女性管理職の登用を積極的に行うように働きかけてまいりたいと思っています。

女性政治家を増やすための法整備を!

女性が活躍する社会を実現していくために、3人のパネリストは以下の点で意見が一致しました。

  • 組織の意思決定の場に女性が一定数以上必要である。
  • 組織のトップに女性管理職に対する理解が必要である。

行政の場でこれを実践していくには、まずは、議会のなかで女性議員の割合を増やしていくことが重要です。

私、安藤じゅん子はクオータ制導入を政策に掲げています。
クオータ制とは、国民構成を反映した政治が行われるように、国会・地方議会議員候補者など一定の割合で両性を定員を割り当て、積極的に性別の格差を是正する制度で、世界的にも多くの国で採用されています。

国会や地方議会において女性議員を増やしていくためには、女性の政治意識を高めるとともに、制度的に立候補しやすい環境を整えていくことも必要です。

私、安藤じゅん子は、女性がよりいきいきと暮らせる社会を実現させるための活動を続けてまいります。

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