三部制を導入し、不登校の生徒たちが学び直せる学校

松戸南高校視察 レポート

2016年05月29日  公開

      安藤じゅん子の気づき


松戸南高校は、松戸市の南部に位置し、緑豊かな環境にありながら、JR武蔵野線と北総線が交差する東松戸駅から徒歩10分の大変便利な場所にあります。創立40年を超える歴史ある学校ですが、その取り組みは日本でも先進的なものです。先日視察した、同校の取り組みを紹介してまいります。

千葉県唯一の三部制を導入

平成18年4月、千葉県教育委員会の高等学校再編計画により、松戸南高校は全日制の課程に加え、千葉県で初めての三部制(午前部・午後部・夜間部)の定時制の課程を設置し、単位制と2学期制を導入しました。
その後、平成25年度末には全日制の課程を閉じ、県下唯一の三部制定時制の課程の独立校となりました。
三部制の定時制導入から10年が経ち、現在は生徒数1,000名を超える大規模校となっています。

三部制とは、「午前部」「午後部」「夜間部」の3つの部がある仕組みです。
生徒一人一人が、自分のライフスタイルに合わせて学校生活の時間帯を選べるようにしています。

三部制という新しいシステムを導入することで、学ぶ意欲に応え、生徒一人ひとりの進路や興味・関心に合わせた学習を可能とし、全職員の方々が、研修により相談スキルを向上させ、きめ細かな指導で生徒の学びや高校生活を全力でサポートしています。

進路に応じた時間割が単位制のメリット

松戸南高校のもうひとつの特徴は単位制です。
学年ごとに一括して単位修得を認定する学年制では1科目でも不認定科目があれば次の学年に進むことができず、すべての科目を元の学年でやり直さなければなりません(留年といいます)が、単位制には留年がありません。履修・修得が認定されなかった科目が生じた場合には、その科目だけを再履修するか、または別の科目で単位を修得して卒業単位数を満たせば卒業ができます。

松戸南高校では単位制の長所を生かすために、自分の興味・関心・進路などに応じて科目を選択して学習できるように、多様な選択科目を用意しています。科目選択のガイダンスを受けながら、生徒一人一人が、自分の進路希望に合わせた選択科目を履修します。
生徒は、教室を科目に合わせて移動します。机はなく、ロッカーを整備、まるで大学のようでした。

松戸南高校の時間割

三部制の授業は、原則として45分の2時間連続(90分授業)で実施しています。自分の所属する部で毎日4時間(4単位)の授業を受け、4年間で74単位以上を修得して卒業するのが標準です(四修制と言います)。
しかし、他の部の時間帯に開設される授業を受けてその単位を修得すれば、3年間で74単位以上を修得して卒業することも可能です(三修制と言います)。

単位制は自分のペースに合わせ、計画的に学習できるシステムです。一部定時制で三年卒業をしたいとなると、高認受験や通信で単位を取得することになり生徒には、大きな負担になります。この大きな壁を取っ払ったのが松戸南高校なのです。

授業は社会人として必要な基礎学力をしっかり身に付けてもらうために、1・2年次の国語・数学・英語の授業では、習熟度別授業を実施しています。
生徒一人一人の進度に応じて、3つのレベルで実施します。それぞれのクラスで、「わかる授業」をめざして授業を実施しています。

入学半年間は、基礎をしっかりとみることで、生徒のわからない、つまらない、通いたくない、のスパイラルを徹底的に排除しています。

中学時代に不登校だった生徒たちが卒業していく学び直しの学校

松戸南高校の生徒は、中学校時代になかなか学校へ行けなかった生徒が多いことも特徴です。毎年、松戸南高校に入学してくる生徒の80パーセント以上は不登校経験者だそうです。

さまざまな事情で不登校になってしまう生徒たちですが、彼らはみんな勉強したいという気持ちが強いのです。授業を拝見しましたが、生徒たちは、ものすごい集中力でした。

多くの先輩たちが中学校での不登校を乗り越えて、「この学校へ来て良かった!」と言っています。

松戸南高校は三部制定時制というシステムを導入した全国トップクラスの学び直し学校です。生徒たちは、自分のペースに合わせて学校に通い、その目は皆いきいきと輝いています。
不登校に悩む生徒、保護者の方が身近にいらっしゃったら、ぜひ松戸南高校を見学してみてください。

教育相談研修会の模様

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机がないのでロッカーで私物管理

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学生食堂

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