国の基準を上回る自治体の独自加算がチャイルドデイケア施設を支える

社会福祉法人むそう「ほわわ吾妻橋」視察レポート

2016年10月24日  公開

       安藤じゅん子の気づき


9月に墨田区吾妻橋にある医療福祉法人むそう「ほわわ吾妻橋」に石井宏子議員(君津市選出)と一緒に視察しました。

「必要な時に、必要な人に、必要なサービスを。」
社会福祉法人むそうは、たとえ家族がいなくなっても障害のある本人が自分らしい暮らしを暮らしたい地域で継続できること。を目指しています。
どのような支援があれば生きにくさを抱える人が一市民として社会参加し、暮らしたい場所で自分らしい生活をすることが実現できるか。そのことを考え、子どもから、成人、老人までを支援しています。

今回お伺いした「ほわわ」はチャイルドデイケア施設で、医療的なケアを必要とする0歳から6歳までの発達障害の子どもたちのための支援事業所です。呼吸器が必要な子ども、気管切開や胃ろうなどの状態の子ども、さまざまな要因で医療対応が必要な子どもたちが、自宅で家族とだけで生活するのではなく、むそうのスタッフや友達と楽しくコミュニケーションを取りながら生活する場所です。

「ほわわ」のような施設は、今年6月に施行された改正児童福祉法が大きな後押しとなっている背景があります。

参考:厚生労働省通知「医療的ケア児の支援に関する保健、医療、福祉、教育等の連携の一層の推進」2016.6.3

子どもは、子どもの中でこそ育つ

お話を伺った「ほわわ吾妻橋」の飯村さんによると、医療的ケア児の支援には、医師の哲学が必要であり、行政の協力は欠かせないそうです。「ほわわ」は医師と行政の橋渡し役として存在しています。現場は結果を出さなくてはならないと考えており、医療的ケア児の育ちの保障としての母子分離を実現しています。これは「子どもは、子どもの中でこそ育つ」という考えに基づいています。

知らないことが、罪をうむ。恐怖をうむ。

介護者や母、そのほか一般の方は、医業者から知識の伝達してもらうことが大切です。職員は、あくまで黒子でありスポークスマンです。知識がないことは、事故や過失に繋がります。知らないということは怖いことです。小さい頃から当たり前にあれば注意するポイントもわかります。

医療的ケア児は、医療的支援が必要なのですが、病院にいつまでもいると、どうしても病人であり続けます。でも、退院したら人らしくなるのです。

「ほわわ」では、処置に頼らないこと、あくまで寄り添うことを心がけているそうです。おこがましくしてはいけない、福祉に関わるものとして気づきや真摯であることを大切になさっています。

国の基準を上回る東京都のバックアップ

「ほわわ」では看護師、ヘルパー、PT、加配をしています。東京都がプライドをもって持続している国の基準を上回る独自加算が
その経営を支えているとのこと。

医療的ケア児を支援する前提として、スタッフとなる人材を育てること。そして、彼らが働く場すなわち経営を継続することが大切です。それには、国や自治体の強いバックアップが欠かせないのです。

また、地域の理解も大切です。「ほわわ」はご近所を大切にしていると飯村さんはおっしゃっていました。

母と子がいつまでも一緒ではいけない

0~6歳はハイリスクです。離婚やネグレクト、家族になれないといったケースも少なくありません。
ママの幸せ、子どもの幸せを当たり前に実現するためには母子分離は必要なのだそうです。

家族は安全基地であり、帰る場所でもあります。子どもたちが大きくなって社会に出るとき、家族が就労支援をするよりも「むそう」のようなところが支援するほうがよいと、飯村さんはおっしゃります。子別れが必要なのです。

行政、地域、ボランティア、多くの人に支えられている

ケア業務だけでなく、相談業務を大切にし、チームを作り自立に必要な要素を取り入れていくそうです。こうしたサービスを上手く使うことが、親にとっても子どもにとっても生きやすさにつながります。

「医療的ケア児」のなかには成人になる前に亡くなってしまう子も少なくありません。お子さんを亡くした親御さんが時折施設で涙し、また日常に帰っていくのだそうです。

当事者であった、気持ちのわかる方たちが、ボランティアとして支援に入っています。そんなボランティアの存在も施設を支えています。

視察を終えて、千葉県も独自加算についてさらに踏み込む必要性を感じました。また人材を育てること、経営を継続することを念頭にすでに松戸市内で展開されている施設2カ所を近々お伺いし、松戸市で展開できる架け橋になりたいと思いました。