“褒める子育て横行?”やってはならない褒め方

立石美津子の子育てアドバイス vol.05

2016年08月16日  公開

   立石美津子の子育てアドバイス 子育てコラム


本屋の子育て本コーナーに行くと“褒める子育て”系の本が平積みされています。子育て講演会に行くと「子どもは褒めて育てましょう」と言われます。でも、あまりお薦めしない褒め方もあるんですよ。
そこで、今日は『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子がNGな褒め方をお話します。

×他の子と比較して褒める

  • 「○○ちゃんは一生懸命、練習していなかったから運動会で一等賞になれなかったのね。その点、あなたは毎日、頑張って練習していたから優勝できたのね。偉いね。」
  • 「○○君は食べ物の好き嫌いばかりしているから身体も小さいし、直ぐに風邪を引くのね。その点あなたは我儘言わないで何でもモリモリ食べるから、身体も大きく元気でいられるのね。」
  • 「見て、あの兄弟、いつもケンカばかりしているのね。その点、あなた達はいつも兄弟仲良くしていてお利口だね。」

このように、たとえ我が子を褒めていても「他人と比べて〇〇だから立派である」の褒め方をしていると、自分より出来ていない人をバカにするような態度をとるようになります。将来、誰からも好かれない鼻持ちならない大人に成長してしまうかもしれません。

×結果だけを褒める

  • 「残さず食べてお利口だね」
  • 「お片付けしていていい子ね」
  • 「100点とって偉いね」
  • 「運動会で一等賞になって立派だね」

こんなほめ方をしていると食事を残したとき、散かしていてなかなか片付けられないとき、満点をとれなかったとき、一番になれなかったときに「自分は褒められる対象ではなくなってしまった。ダメ人間である」と自己評価が低くなります。もろくも崩れやすい“偽の自己肯定感”がついてしまったのですね。

ד努力すれば必ず結果は伴う“と励まし褒める

世の中、自分の努力ではどうしようもないことがたくさんあります。子どもの世界も同様です。走る練習を積んで予行演習では一等賞だったのに、本番ではつまずいて転んでビリになったり、幼児教室に通って頑張って勉強していたのに小学校受験で不合格になったり等。

でも、幼児期のこういった挫折体験により「努力しても叶わないこともある」ことを経験させることが大切です。これで精神的なたくましさも育ちます。失敗しても次への挑戦意欲が沸きます。
また、よく考えてみると結果は伴わなくても勉強したことによる学力、徒競走の練習をしたことによる脚力は確実についているのですから無駄なことは何一つありません。“結果が出なくては意味なし”なんて育て方をしないようにしましょうね。

×ありきたりな褒め方をする

「いい子ね」「偉いね」「かっこいいね」「素敵だね」という褒め方はいずれネタが尽きます。ほめ言葉の語彙としては貧弱すぎますね。それに、だんだんと子どもは「またそうやって僕をおだててやらせようとしている」と見抜くようになります。かといってそんなにたくさんの言葉を駆使して褒めるのは難しいです。そんなときはニュースのアナウンサーの実況中継のようにしましょう。

  • 「玩具片づけているね」
  • 「食事を残さず食べているね」
  • 「頑張って練習しているね」

これは褒めるというより「あなたの行動をいつも見ていますよ」の愛情表現です。つまり、認めているということです。何をしていても無視される、気づかれないのは悲しいものです。
“褒める”とはイコール“認める”ことなのです。

×やたら褒める

そんなこと出来て当たり前のことなのに、口癖のように「いい子ね」「いい子ね」と連呼しているとだんだんと耳にタコができてしまいます。まるで大人同士の「お元気で、またお会いしましょう」的な社交辞令と化してしまいます。

「昨日はニンジン残していたけれど、今日は頑張って食べたのね。嬉しいわ!」「その玩具で遊びたかったのに弟に譲ってやったのね。我慢できたのね。」と本当に褒められるべきことをしたときだけ称賛しましょう。

×「やれば出来る」と励ます

褒め言葉とは少し違いますが、失敗したとき「あなただってやれば出来るのよ」と励ましたくなりますが、これは裏っ返せば、イコール「今は出来ていない」と責めているようなものです。失敗をすることが許されずプレッシャーになります。失敗したときは「失敗しちゃったね~残念だったね」とだけ、さりげなく言いましょう。

やればできる

マンガ ©あべゆみこ

まとめ

何でも褒めればいいってもんじゃありません。“褒めて育てよ”が横行していますが、間違った褒め方をしないように参考にしてくださいね。


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立石美津子(たていし みつこ)

1961年大阪市生まれ。聖心女子大学卒。幼稚園・小学校・特別支援学校教諭免許を取得後、石井勲氏の元、幼稚園・保育園に漢字教育を普及する。平成7年、株式会社パワーキッズ(教室名 エンピツらんど)を創業し幼児教室を主宰。現在は作家、講演家として活動。自閉症児の母。著書は『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』『読み書き算数ができる子にするために親がやってはいけない104のこと』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『一人でできる子が育つ テキトーかあさんのすすめ』『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』など。