【中学受験】「進学塾に通っていれば安心」ではない! 親ができることとは?

塾講師Naoの"子どもの力をぐんぐん伸ばすコツ" vol.13

2017年05月12日  公開

   塾講師Naoの“子どもの力をぐんぐん伸ばすコツ” 子育てコラム


「受験」という二文字を視野に入れた際、多くの人が最初に抱く疑問や悩みは「うちの子、受験に耐えうる(成功させる)力をもっているのか?」というものではないでしょうか。

受験は、自分の力を高めるスキルを身につけるとても良い修行であると同時に、自信を喪失させてその後の生き方に大きな影響を与える機会になることも。受験を通して強くなるためには、そして希望校への入学を実現するためには? “とりあえず進学塾に入れてしまえば自動的に合格が手に入る”とは限りません。小学生時代の子どもたちが受験を通して「やればできる!」と自信をもつことができる、親のサポートを考えてみましょう。

「復習する力」が何よりも大切

どんなにわかりやすい先生の授業を聞いても、“その場でわかった”ことがテストなどで“自分の力でできる”ものになるとは限りません。勉強は、知ったことや教わったことを「自分の力」にするところまで。学んだことを「覚えるまで」「ヒントなしで解けるまで」練習することが不可欠です。

私はこのことを小学生の子どもたちに伝えるときに、“スポーツや楽器などの習い事”を例にあげます。
「コーチや先生など、上手い人の見本を見ても、すぐに自分でも全く同じようにできるようになるわけではないよね。どうすれば同じようにできるかよーく見て、同じように動けるように一生懸命練習して、そうやってうまくできるようになっていくよね」と。

受験でいえば、これが「復習」にあたります。新しく習ったことや間違えた問題を、別の紙に(もちろん、復習用のノートでも構いません)自分だけでできるかどうかやってみる。やり方がわからなくなったらノートを見直し、それでもわからなければ先生に質問を。そしてわかったら、また新しい紙を用意してやってみる。この繰り返しでできるようになった問題が、「自分の力」です。

親は、介入しすぎない

ここで大切になるのが、親子の関係です。小学校高学年頃から、子どもたちは親に「宿題をやったの?」「早く勉強をしなさい!」などと言われると反発するようになり、親心としてのサポートが逆効果になるケースが増えてきます。

だからこそ活用したいのが学習塾などで“他人に教わる”経験です。子どもが「この先生の言うことならば信じられる」「この先生との約束なら、少し辛くても頑張れる」と思える環境だととても良いですね。わからないことを質問しやすく、わかるまでとことん付き合ってくれるところ、また自学や復習を重んじて子どもの力でできるようにする環境が整っているところがおすすめです。

ゴールは「量」ではなく「結果」

「○○をしなさい!」と言うのではなく「よく頑張ったね」と子どもの努力を認める場面こそ、親の出番。努力を認められる経験は、「この方法でよかったんだ」と安心して自信をもつことができ、「やってみたら、できた! 次もやってみよう」と前向きな気持ちで努力し続けるきっかけになります。

とはいえ、毎日「今日も頑張ったね」と声をかけるだけでは、何を頑張ったのか、どこが良かったのがつかみにくいですよね。「わからないことをそのままにしないで、しっかり質問しているところがすごいね」「間違えた問題をもう一度解いているんだ!それなら本番でも自分でできるようになるね!」などと、理由を添えて褒めてあげてください。何が良かったのかがつかめると、同じように次もやってみようと思えます。

ゴールが明確で、そのために何をしたら良いのかをつかむことができれば、子どもたちは迷うことなく努力を続けることができます。小学校時代に勉強の方法を身につければ、その後の学びにも生かされます。ぜひ、一生ものの勉強法と出会うためのコーチとして、子どもたちに寄り添ってあげてください。


Nao Kiyota

塾講師ライター。子どもたちがもっと夢中で学べるよう、日々格闘中。美容・健康分野でも執筆活動をしている。

保有資格等
教育系:小学校免許/特別支援学校免許/IEEC TEACHER TRAINING CENTER AND OXFORD UNIVERSITY PRESS Teacher Training Program 2013
心理系:メンタル心理カウンセラー/上級心理カウンセラー
健康系:ダイエットアドバイザー/リンパケアセラピスト

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