これを止めたら楽になるかも

立石美津子の子育てアドバイス vol.10

2017年01月18日  公開

   立石美津子の子育てアドバイス 子育てコラム


“理想のママ像”を追い求めすぎて、自分にあれこれと無理なハードルを課していませんか?もしかしたら、そのうちいくつかを止めたら、子育てをもっと楽しめるかもしれません。

子育てって年中無休の24時間労働ですよね。ですから、自分のキャパシティーを超えたことを課すとママが潰れてしまいます。
“子どものために良かれと思ってしていること”、そして自身に対しても「いいママでいなくっちゃ・・・」「母親なんだから○○すべき・・・」と考えてしまい、いつの間にか高いハードルを与えていませんか?

「子どものためを思って・・・」と始めたことも、親自身がストレスになったり嫌々やっているようでは子どもには却って悪影響ですよ。
そこで、『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子がいくつかご紹介したいと思います。

絵本の読み聞かせ一日5冊

「絵本の読み聞かせは子どもの心を育てる!」「語彙が豊富になる!」
確かにそうかもしれません。そして、これらを耳にするとも「毎日、必ず5冊は読み聞かせするぞ!」と真面目で一生懸命な人は自分にノルマを課したくなります。

けれども、義務感満載でやってしまうと、本来は子どもにとってもママにとっても楽しいはずの読み聞かせの時間も、だんだんしんどくなってきます。そして、棒読みしたり、早口で読み進めたり、しんどそうな、めんどくさそうな顔つきで読んだりしてしまうこともあります。

更に、子どもが真剣に聞いてくれないとつい「せっかく読んでいるんだから、よそ見しないで、ちゃんと聞いていなさい!」なんて余計な小言も言いたくなります。

でも、これじゃあ何のために絵本を読んでやっているのか本末転倒ですよね。

寝る前に読み聞かせ

©あべゆみこ

週末の外出計画

週明のフェイスブックやブログにママ友の「お出かけナウ!」の外出風景の写真がアップされています。子ども同士「昨日の日曜日、ママとパパで○○に行ったんだよ」の会話がされることを想像すると「私も子どもをどこにも連れて行ってやらないと可哀想だ」と思ってしまいます。

そして、「出遅れちゃあいけない」と翌週、無理な外出計画を立てたくなります。

ママの本心は平日の仕事の疲れを癒したり、普段、買い物に行けない分、スーパーでの買い出しや家の掃除をしたいのに無理やり出かけ・・・でも、毎週、出かけてお財布も身体も悲鳴を上げてしまいます。

子どもはもちろん遠出も喜びますが、平日は時間も心も余裕なく、忙しくて出来ないこと。例えば夕飯メニューを子どもと一緒にあれこれ考え、近所のスーパーでママと一緒に材料を選んで一緒に夕飯作りをする、手作りおやつを作るのもとても幸せなのです。

たまに観光地に行くのもいいですが、過密スケジュールを組むのは止めましょうね。週明けからママも子どもも疲れてしまいますよ。

ミッキーに会いたい

すべて手作りにこだわる

もちろん、毎日レトルト食品、インスタント食品、売られたお惣菜ばかりに頼るのは添加物も入っているのでよくないです。

料理が趣味で得意で大好きな人ならばいいのですが、料理が苦手であまり好きではない人が子どもの身体作りのためと玄米、無農薬野菜、有機野菜、出汁もゼロから手作り。でも、毎日ですと費用も手間もかかりかなり大変です。

「すべてゼロから手作り!」は止めて、たまにはお惣菜やレトルト食品に頼ってしまいましょう。

離乳食も割高にはなりますが、赤ちゃん用のパウチのパックは保存料などの添加物も入っておらず、カロリーや栄養のバランス、味もプロが考えていて優れものが沢山売られています。私もこの間、食べてみましたが結構、薄味で美味しかったです。毎日ですと「?」ですが、たまにはパウチされたレトルト離乳食を使うことに罪悪感を感じることはないと思いますよ。
(小物もすべて手作りでなくてもいいのでは?)

手作り?

キャラ弁

料理が苦手でしかも手先も器用ではない人が毎日、キャラ弁を作るとなると大変です。
(くまモンのつもりが、こんな感じに)

くまもんのキャラ弁?

人の真似をしないで、鮭弁、のり弁、日の丸弁当でも十分です。昨日のおかずの残りを入れたり、今は便利な冷凍食品があるのですから活用しましょう。

美味しいのが一番です。キャラ弁は確かに蓋を開けたときのインパクトはありますが、キャラ弁だから美味しい、そうではければまずいということもありません。

それから、出かける前から眉間に皺を寄せてお弁当作りしているママの顔を見るのは子どもにとって嫌なものです。
また、一生懸命作ったお弁当を残されたら「せっかく大変な思いをして作ったのに・・・」と子どもが帰宅するなり余計な一言を言いたくなるかもしれません。

もともと、真面目な人、一生懸命な人、上昇志向の高い人、完璧主義の人が子育て本を読んだりネットサーフィンしたりします。本当にいい加減な人、ネグレクト系の人はこのサイトにアクセスなんかしません。だから私がこの記事を読んだ人が“いい加減なことをする”とは思えないのです。

だから、凄く一生懸命なあなたは少し手を抜いたほうが、これから長く続く子育てをうまくこなしていけると思います。ぜひ参考にしてくださいね。


立石美津子(たていし みつこ)

子育て本著者、講演家。聖心女子大卒。幼稚園・小学校・特別支援学校教諭免許を取得後20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。自閉症児の母。著書は『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』など多数

 立石美津子オフィシャルブログ

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