子どもは親を選んでやってくる? 障害児を抱えて親子が幸せになる方法は?

立石美津子の子育てアドバイス 番外編

2016年10月23日  公開

   立石美津子の子育てアドバイス 子育てコラム


全人口の6~10%も存在すると言われている“発達障害児”。
クラスの中に2~3人はいる決して低くはない確率です。周りのお友達にそんな子がいるかもしれません。もしかして、あなたの子どもがそうであるかもしれません。

今日は『立石流 子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』の著者の立石美津子がお話したいと思います。

お爺さん、お婆さんになってもずっと自閉症

私の未来予想図には“障害児の母になる”なんて計画はまったくありませんでした。
2000年ミレニアムベイビーとして記念すべき年に誕生したのに……。くじを引いても当たった試しがないのに……。私のところにやってきたのは人口の1~2%の確率で生まれる“自閉症”の男の子でした。

どんなに医学が進歩しても、障害児はいつの時代も一定の割合で生まれます。
医師から「お母さん、自閉症は生まれつきの脳の障害で一生治ることはないですよ」と言われました。

親を選んでやってくる天使?

落ち込んでいる私をママ友が慰めてくれました。
「子どもは親を選んでやってくるのよ。神様がくださった天使なのよ。立石さんなら育てられるからやってきたのよ」

私は当時、幼児教室を経営し、幼稚園、小学校、特別支援学校など各種教員免許も持ち、“子育てのプロ”だと思われていたので、こう励ましてくれたのだと思います。けれども、私は心のなかで「綺麗ごとを言わないでよ。神様に選ばれたくなかったわよ。ああ、くじ運悪い……!」と叫んでいました。

「五体満足な子でありますように。健康で元気な赤ちゃんが生まれますように」……。これから母になる人は願います。誰も好んで「障害のある子を産みたい」なんて思っていません。

だからママ友の親切な言葉は、私にとっては善意の押し売りでした。

育てにくい子の子育てに疲れ果ててしまい鬱病になる人、虐待をしてしまう人だっています。さらに出生前診断を受けた人のうち9割が堕胎している現実……。
ですから、神様は育てられる親を選んで子どもを授けるわけではないと思うんです。

健常児でも、障害程度が軽くても根っこは同じ

私の息子は知的障害を伴う自閉症です。ですから、いわゆるグレーゾーンの子どもには当たりません。(※グレーゾーンとは・・・アスペルガー症候群などを含む、白か黒か診断の難しい発達障害の俗称)
けれども、健常の子も障害児もその障害程度が軽くても重くても、子育ての根っこは同じだと思うんです。

例えば……

子どものあるがままを認めず健常児に近づけようと必死に訓練したり…
小学校の選択を誤ってしまったり…

通常学級にこだわるのはやめて

「担任やママ友に障害があることを知られるのは恥ずかしい」
「レッテルを貼られてしまう」
「障害があることは可哀想なことだ」
こんな風に思ってしまったり…

固定観念は捨てよう

他の子と比べたり…

ほかの子と比べないで

「あなたのここが改善したらあなたは幸せになる。ママも幸せになる」の気持ちがどこかに潜んでいたり…

改善してほしいって思ったり

イラスト©今井久恵

でも、これでは子どもも親も幸せにはなれないと思うのです。

息子は2歳で診断を受けました。他の子どもを見ること自体が、イコール息子との違いを見せつけられることで、ストレスの原因になり“比べる病”にかかってしまいました。
でも、障害受容し、子どもの世界に寄り添うこと16年、今では子育てがとても楽しいです。

もし、幼い頃にあるがままのわが子を受け入れず、特性に合わない幼稚園、保育園、小学校に入学させたら・・・おそらく私はいつまでも「健常児に追いつけ追いつけ」と必死になり、その差を感じて悶々とする毎日だったと思います。息子も親から他の子と比べられて自己肯定感のかけらも育たず、きっと楽しくない日々が続いていたと思います。

発達障害の子の子育てには“障害受容・療育選び・ママ友や担任やクラスメートへのカミングアウト・学校選び”など、子どもの将来を左右する“分岐点”があります。
けれども、その環境の与え方、育て方でお母さんもお子さんも幸せになれると思っています。

参考:『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』

立石美津子(たていし みつこ)

子育て本著者、講演家。聖心女子大卒。幼稚園・小学校・特別支援学校教諭免許を取得後20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。自閉症児の母。著書は『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』など多数

 立石美津子オフィシャルブログ

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